Q&A

よくある疑問カテゴリー

※当ページは動物病院の業態・業務に関するご質問や関係者の経験・調査をもとに編集しており、個人的な事象やご意見にお応えするものではありません。

病院の組織

動物病院やペットクリニックって医療機関ですか?

動物病院(獣医業)は厳密には医療機関ではありませんが、獣医療法で動物診療施設と定義されています。

標準産業分類では、人間の病院が医療・福祉、動物病院学術研究・専門・技術サービス部門に入ります。

動物病院と同じ分類には、弁護士事務所・税理士事務所・建築設計事務所・社労士事務所などがあります。

動物病院内で使っている機械・器具や薬品類は、人間の病院と同じものも多いので診療施設と呼ばれます。

動物医療センターとペットクリニックは何が違う?

民間動物病院では、動物医療センター・動物病院・ペットクリニックも、名称による明確な区別や違いはありません

動物病院・動物医療センター・ペットクリニック[以下、動物病院]は、基本的にすべての診療科目対応となります。

動物医療センターやグループは、ペットブームで潤った群れや権威が好きな獣医師によって造られた形骸化組織です。

鹿児島県では実質「鹿大附属動物病院」が2次診療形態で、他は多少の違いがあっても1次診療形態となっています。

※形骸化組織:外見だけで実質的な意味を失っている集団

動物病院にも歯科・眼科・耳鼻科・皮膚科がある?

大部分の一般的な動物病院では、専門科名を病院の名前に付けたり、診療科目を限定した診療は行っておりません。

獣医師の得意分野や担当などには違いがありますが、基本的に「対象動物のすべての診療科目に対応」しています。

特に小動物は食事や環境など、獣医学以外にも影響を受けやすいので、広い視野と見識で診断する必要があります。

しかし動物病院によっては、歯科・産科など一部対応していない内容もあるため、事前に電話等で確認して下さい。

普通の動物病院と大学の動物病院の違いはナニ?

鹿児島県の場合、役割分担として一般動物病院が「1次診療形態」、大学附属動物病院が「2次診療形態」となります。

1次診療は、幅広く飼い主様と対象の動物を受け入れ、一番最初に診断・治療することになる動物病院とお考え下さい。

2次診療は、人手や特殊機材が必要な手術・検査など一般動物病院から依頼を受ける専門性の高い動物病院と言えます。

中途半端に1.5次診療や医療センター化を好む民間動物病院ほど、飼い主様との食い違いが生じる傾向が強いようです。

犬・猫以外をを診る動物病院はナゼ少ないの?

鳥やエキゾチックアニマルを対象とする動物病院が少ないのは、大学の「獣医学部(獣医学)で学ばない」からです。

対象とする獣医の多くは、①独学で勉強する、②先に習得している獣医師・動物病院で学ぶ、などの過程を選びます。

しかし、鳥やエキゾチックアニマル医療自体が犬猫よりも未発達なため、獣医師の経験や感覚に頼らざるを得ません。

対象動物が多いから特別だと感じるかもしれませんが、逆に動物の扱いや獣医師の人柄等で評価が分かれるようです。

※エキゾチックアニマル:犬・猫・産業動物以外の動物の総称

運営・体制

夜間専門や24時間診療の動物病院ってあるの?

鹿児島県内においては、定期休診日がない動物病院は若干ありますが、夜間専門や24時間診療体制の動物病院はありません

動物病院の年中無休や長時間診療は、常時十分な人員と財源・一定の管理体制が必要なため、民間では非現実的となります。

ただし、個人動物病院でも「カルテが有効な飼い主様の救急限定対応」など、独自の時間外対応をする動物病院もあります。

また、鹿児島地区獣医師会と鹿大動物病院が、予約制・時間帯&対象地域の制限付きで夜間当番・夜間診療を行っています。

認定医や専門医がいる動物病院のほうがいい?

よくネットや動画で「認定医や専門医のいる動物病院を選べ」という情報がありますが、正直その選び方は間違いです。

最初に受診する9割超は1次診療形態なので、そこで認定医・専門医が必要と判断されれば紹介されることになります。

1次診療でいかに精度の高い診察をする獣医師に診てもらうかが重要で、全く認定医・専門医である必要はありません。

ただでさえ学者気質の獣医師が多いのに、経験の幅や視野が狭いと誤診しがちで自己完結される危険性が高くなります。

特殊な設備や治療法をしているほうがいい?

残念ですが、高額な設備や特殊な治療法を導入している動物病院は、一般的に料金が高く設定される傾向があります。

まだ未承認の薬品やほとんど普及していない治療法は、高額な割に不確定要素が多いという試験的な側面があります。

院長や獣医の興味・私意で導入された結果、最終的には「動物や飼い主様に負担を強いる」形になってしまうのです。

後で後悔をしないためにも、的確な診断で無駄や危険を回避できる視野の広い獣医師のいる動物病院を選びましょう。

愛護活動や特定分野で有名なところがいい?

〇〇で有名などの言葉は「一般個人の思い込みや世間のうわさが集まったもの」であり、その真偽は常に不正確です。

また、獣医療には「飼育者等が獣医療サービスを正しく理解し適切に選択できる」よう広告ガイドラインもあります。

社会貢献・ボランティアなど院外での活動は、国家資格の特性上、獣医師会や自治体などを通して公式に行われます。

単独の愛護活動や偽善的な診療をしながら世間とのズレに気付かない動物病院は、決まって評判が悪いのも事実です。

動物病院内ではどんな人が働いているの?

一般的な動物病院では、①獣医師、②看護スタッフ、③トリマー・ドッグトレーナー、④受付・事務員などが働いています。

①は獣医学部卒の国家資格取得者で、②③は3年制動物看護科や2年制動物専門学校出身が多く、②④は一般採用もあります。

2023年には「愛玩動物看護師」という国家資格もできましたが、様々な動物関係の認定(公認)資格を持つ従業員もいます。

大部分の動物病院では、主に②③のスタッフが電話・来院対応から獣医療補助・入院お預かり管理まで幅広く従事しています。

ネット情報

ホームページで医療機器の紹介は必要なの?

自院のホームページで医療機器を紹介したり、機器導入のお知らせをしている動物病院をよく見かけます。

果たして、飼い主様の中で「医療機器の有無を見て動物病院を選ぶ方」がどの位いらっしゃるでしょうか?

これらは獣医師自身の「自己満足・自己顕示欲・承認欲求」の現れでしかなく、利用者にとって有益な情報とは思えません。

本来、医療機器類は獣医師を補助する役割なのに、機械や療法で自分を良く見せようとする獣医師や動物病院は要注意です。

グーグルレビュー件数に差があるのはなぜ?

クチコミの数は単に院長の考え方や年数の長さを示しており、決して件数が多いから良い動物病院という訳ではありません

実は、保護動物の格安手術やペット業者との割引提携など、外部の要求を無節操に取り込む動物病院ほど件数が多いんです。

それらの動物病院には、初めて利用した方や割引目当てで利用した方など、一見さんのレビューが多く付く特徴があります。

一方で、人によって料金が変わったり無駄に待ち時間が長かったり、段々不信感が増して転院する飼い主様も多いようです。

「名医です」とか「料金が良心的」は本当?

ネット上に存在するクチコミやレビューは、初めて利用した時の印象や個人的・一時的な感想が大部分を占めています。

中でも割と新しい動物病院や軽度な用件でご利用の場合、優しい・きれいなど感覚的な評価が多く付く傾向があります。

診療費用や獣医師の技量に関するクチコミは、個々に内容の違いがあり極めて専門性が高いため全く参考になりません

特に経験値や利用回数が少ない方・感動しやすい方は、大げさな表現になりがちなので惑わされないようにしましょう。

よくSNSで情報発信している動物病院は?

動物病院や獣医師がSNSなどを利用する場合、自分たちの立場や社会的影響を考えた「制限や自重」が必要だと思います。

動画配信サイトやSNSは、不特定多数が閲覧できるので、内容次第では獣医療法等に抵触する可能性が高くなるからです。

SNSでは実際に利用していない無関係な人も評価・コメントでき、飼い主様が正しく判断できなくなる危険があるのです。

相手かまわず多数をフォローしている獣医師や動物病院は、有資格事業者として節度に欠けている証拠と言えるでしょう。

クチコミサイトはどのくらい信用できる?

良い悪いは別として、ネット上のレビューやクチコミ等は「意図的に操作できるもの」だということをご理解下さい。

その中でもあえて優劣を付けるとすれば、利害関係が少ない「グーグルレビュー」は信憑性が高いほうだと思います。

逆に「最も信用できない」のは「Calooペット」で、悪い評価を削除したりクチコミ件数を捏造したり酷いものです。

そんな会社にもかかわらず、自ら有料登録をして「掲載されました!」と宣伝する動物病院が一番無能だと思います。

病院の利用

待合や駐車場が一杯なのは人気だから?

いつも混んでいる・待ち時間が長い原因は、人気とは全く関係なく、院長の考え方や病院レベルの低さにあると言えます。

いつも混む動物病院は、従業員が多いのに対応が遅く、初診や慣れていない飼い主様が不利・不快になる傾向があります。

主な理由は、①院長&従業員の運営・業務能力が低い、②団体や業者と提携、③愛護手術やトリミングで集客、などです。

①~③があると適正診療が受けられない事故やトラブルが起きやすいなど、嫌な思いをされることが増えてしまいます。

別の動物病院に移っても大丈夫ですか?

初めて行った、今通っている動物病院が本当に良いか確かめる意味でも、飼い主様が自由に選択・変更して大丈夫です。

先に体調不良などで動物病院を受診をしてから変更される場合は、料金明細・検査結果・処方薬などを持参して下さい。

何回か行ったけど「待ち時間が長い・対応が悪い」など不信感や嫌悪感を感じ始めたら、早めに他院を利用しましょう。

特に利用経験や知識が少ない方は「近い・綺麗・優しい」など、表面的な理由だけで満足しないほうが良いと思います。

動物病院に行く時は予約が必要ですか?

動物病院は予約に対する考え方や対応能力の差があり、約9:1の割合で「ゆるゆる系」「しっかり系」に別れます。

多くを占める予約対応が悪い「ゆるゆる系」は、来院が集中しやすく長時間待たされるのが当たり前になっています。

元々、能力の低さが原因で来院が集中しているのに、人気があると勘違いしている獣医師や飼い主様が多いようです。

逆に電話対応や予約管理ができている「しっかり系」は、来院が集中しても対応が早く流れがスムーズだと思います。

動物病院の予約はキャンセルできる?

当院の場合は、①受診・購買など、②ペットステイ・ボディケア、2種類のご予約とそのキャンセルが可能です。

①は「来院する」予約で、内容を事前に把握・待ち時間の軽減等が目的のためキャンセル料金は必要ありません

②は「場所や人員を占有する」予約で、病院側や他の飼い主様に迷惑がかかるためキャンセル料金が発生します

そもそも来院対応がいい加減な動物病院ほど、トラブルや迷惑行為に振り回されやすいので十分注意して下さい。

行く前に動物病院の評判を知るには?

初めての時は好印象だったけど、徐々に不満や不信感を感じて動物病院を変える飼い主様がたくさんいらっしゃいます。

個人的にはネット等でしか比較できませんので、できれば「経験豊富なご近所様やお知り合いに相談」してみて下さい。

また、ご自身が気になる動物病院を利用して「獣医師・スタッフの対応や相性を比べる」ことで納得できると思います。

クチコミやレビューは「人によって感じ方が違う」「投稿するのは極一部」という点を加味して総合的にご判断下さい。

医師・職員

何を見れば良い動物病院か見分けられる?

地方の動物病院でも、①院長の高齢化、②トリマーやスタッフの人材不足、③大所帯動物病院の弱体化、が目に付きます。

小動物医療が業態化してから20年以上経過し、獣医師の意欲低下や引退、経営不振による廃業も現実的になってきました。

また、退職者の補充も難しくなっているため、元々獣医師やスタッフの人数が多かったところほど運営能力が低下します。

信頼できる、長く通える動物病院がご希望の飼い主様は、少数精鋭で的確な診療+堅実な運営の動物病院を探して下さい。

獣医師のどこを見れば良い悪いが分かる?

獣医師は「①動物や人が好きなのか/②獣医学が好きなのか」の割合で動物や飼い主様にとっての良し悪しが分かれます。

①は必ず飼い主様と対話しながら動物をよく診ますが、②は表面的に優しく見えても何か噛み合わない違和感を感じます。

特に②の割合が高い獣医師は、目を見て話をしない検査や特殊療法に頼りがち上から目線の言動等の特徴があります。

中でも公務員や研究職からの転職獣医や若い獣医は対面診療が苦手で、自己流に走ったり曖昧な診療になり易いようです。

愛玩動物看護師(国家資格)のレベルは?

一回目の試験は合格率が80%を超え、偏差値50以下でも合格できる難易度の低い国家資格になってしまいました。

現状ほぼ全員が実地不十分のまま現場に就くため、練習材料にされる・事故やトラブルが増える可能性があります。

愛玩動物看護師になったから、と安易にスタッフに採尿や採血などを任せる動物病院・獣医師には注意して下さい。

国家資格とは言え人格や適性まで保証するわけではないため、結局は本人と雇用する病院次第で大きく差が出ます。

評判が悪いのに診療を続けられるのはナゼ?

獣医師は性格・適性など関係なく、獣医師免許があり金銭的な不自由が無ければ診療を続けていくことが可能です。

ただ飼い主様側から見れば、ダメな獣医師の理解・納得できない言動に怒りや不信感を感じることもあるでしょう。

確かに学業は優秀かもしれませんが、人として常識や協調性に欠け、世間知らずの勘違い獣医師もたくさんいます。

結果的に獣医師は犯罪を犯さない限り診療できるので、利用する側が慎重に動物病院を見極める必要があるんです。

獣医師やスタッフのユニフォームの違いは?

動物病院内の制服には特に規定や決まりは無く、動物病院の院長が選定して職種別・担当別に使用しています。

人間の医療用制服同様、定番の白衣系や色やデザインが豊富なスクラブ(術衣)系の組み合わせが多いようです。

中には「柄物・各自選択・貸出方式」など、さすがに院長のセンスを疑う使い方をしている動物病院もあります。

単に好みだけで選ぶのではなく、獣医師と従業員、従業員間の役割を区別する工夫や統一感も必要だと思います。

料金・接遇

避妊や去勢の料金が安い動物病院は大丈夫?

いくら選択の自由があるとは言え、大切な家族、可愛がっている動物の命に「安さや手軽さ」を求めるのは感心できません

また、不妊手術は術後も動物との健全な共生が前提の手術ですが、常に「麻酔の危険性」があることも忘れてはいけません

しかし、未だに安さやボランティアを理由に「術前検査軽視で安全配慮しない」動物病院・獣医師が存在するのも事実です。

術前検査だけでは安全を担保できないないため、危険を察知・回避する診断力こそ獣医師にとって必要な能力だと思います。

過剰なおもてなしや無料サービスは必要?

動物病院とは思えないサービスが多い場合、獣医師ではない人間が運営の主導権を持っている可能性があります。

これらは来院数や売上が減少したり、従業員や飼い主様が定着しなくなった時の典型的なパターンとも言えます。

例えば「頻繁にクチコミに返信、唐突な無料配布やグッズ販売」など、違和感を感じる点が非常に多くなります。

いつも行く動物病院集団退職や過剰な変化を感じたら、組織崩壊や弱体化が始まっている兆候とお考え下さい。

同じ内容なのに料金の違いがあるのはナゼ?

動物病院法律的に料金を自由に設定して良いため、動物病院・内容毎に「料金設定(金額)の違い」があります。

基本的には、原価・地域相場・勤務医時代の病院の料金などを参考にして、院長や経営陣が決めていくと思います。

特に獣医療費は平等な生命への責任など「倫理観」が問われるため、その時の気分で値引きするなど考えられません。

言えば安くしてくれる、人によって料金が変わる動物病院ほど無節操な点が多いため、安易に信用してはいけません。

なぜ動物病院の料金は極端に差があるの?

日本の獣医業は「学術研究,専門・技術サービス業」に分類され、人間の医療(保険)制度とは全く関係ありません。

損保などペット保険適用が無い場合、基本的には施術料・薬代・機材使用料などを実費でご請求することになります。

また、難しい手術だったり特殊な医療機器・特別な治療法や薬品を使えば、それだけでかなり単価が高額になります。

結果的に百円単位から十万円超まで差が大きく、事前の説明や情報がないと飼い主様を困惑させることになるのです。

設備・活動

大きい動物病院や新しい動物病院は?

動物病院の「建物の大きさ・新しさ」と「診療・接客対応の良し悪し」には全く関連性はありません。

新しい動物病院は、最初だけは感じが良いかもしれませんが、徐々に院長の本性や診療の未熟さが表面化し始めます。

また、獣医師や従業員の入れ替わりが多い動物病院は、運営面に問題があり全体的な質や信頼性が確実に低下します。

重要なのは、①信頼できる獣医師か、②運営面や従業員の質が高いか、③安心して長く利用できるか、という点です。

獣医師やスタッフが多い動物病院は?

動物病院の「獣医師やスタッフの人数」と「獣医療・接遇の良し悪し」には全く関連性はありません。

獣医師が複数いる場合、経験やスキルの個人差が大きく、連携が無いと「単なる個人動物病院の集まり」になります。

また、従業員が多くても「対応が遅い・悪い」動物病院は、個々の能力や管理体制に問題があることを示しています。

獣医師や従業員が多いところに限って、担当が代わる・料金が割高・時間外対応しないなど不便な点も多いようです。

TNRって何の略でどういう意味?

TNRとは、Trap(捕獲する)Neuter(不妊手術する)Return(元に戻す)の略語で野良猫愛護活動の一つです。

これに賛同する動物愛護(保護)団体や個人、および一部の動物病院・獣医師が避妊・去勢手術等を通じて活動しています。

ただし非常に問題やトラブルも多く、偏った考え方や利己的な思いが暴走する材料になってしまう傾向(恐れ)があります。

動物の命や動物との共生に対する考え方の変化から、今後は個人や団体、獣医師の倫理的・社会的責任が問われるでしょう。

キャットフレンドリーって何?

猫に優しい動物病院を増やすべく国際猫医学会(ISFM)及び日本猫医学会(JSFM)が提唱している認定規格になります。

主旨は良いのですが、実際は深く考えない開業獣医たちが「人集めのための安易な看板」に利用しているように見えます。

出入口や受付は共用なのに無理な区分けで待合が狭くなったり、猫以外の飼い主様が利用しづらくなっては本末転倒です。

開業時に現実的ではない理想や形式を求めるのではなく、堅実に病院運営の基礎を構築していくべきではないでしょうか。

クチコミコメントの見方

ネット上の動物病院や獣医師に関するクチコミには、大きく3つのパターンがあります。

パターン1

最も多いのが初見(初めてor軽い内容で利用した)時の感想や印象です。

実際、近所に新しい動物病院ができたから、夜間当番だったので、など初めて利用された時の感想が割と多く見られます。

その他、トリミング・ワクチンなどで利用した方や初めて利用した方なども含めて、初見コメントが大部分を占めています。

結果的に、動物病院の実態や獣医師の人間性など細かいところまで把握できていない方が多いということもできます。

これらのことから、件数が多くても良い評価があっても「コメントだけでは一概に判断できない」と言えるのです。

パターン2

2番目に多いのがペットの体調不良やケガ、手術などで「(何回か)診療を受けた(利用した)上での感想です。

中でも「名医です」など技量に関する内容は信憑性に欠けるため、あくまでも一般の方の目線・感じ方程度に考えて下さい。

また「料金が良心的」という内容も「どんな明細を何処と比較しているか」全く不透明なため、一概に期待してはいけません。

逆に「悪い感想」には、実際に経験した具体的な内容や、獣医・スタッフの言動までを細かく表現しているものが多いと思います。

中には説明不足による事実誤認、単なるクレームや身勝手な内容もありますが、そもそも『動物病院側にも原因がある』という見方もできます。

パターン3

ネット上のコメントは上のパターンがほとんどですが、厄介なのが「嘘コメント」「間違いコメント」「ご祝儀コメントです。

「嘘コメント」が多いのは『動物病院まとめ系サイト』で、実際に利用したことが無い人が投稿しているケースがあります。

また、任意にアンケートを書かされたり、表示回数が評価点になったり、悪いコメントが削除されたりする「滅茶苦茶な基準のサイト」も普通に検索上位で表示されています。

フェイスブックに至っては「利用したことが無い」人まで高評価を付けられるため、評価数が多すぎる場合は注意して下さい。

他には病院を間違って投稿された「間違いコメント」、開業に携わった関係者・内覧会参加者・友人などの「ご祝儀コメント」が紛れ込んでいます。

ご注意下さい

ネット上のクチコミ投稿などで、事実と異なる根拠のない誹謗中傷により相手の名誉を著しく貶める内容を書き込みをした場合、名誉権侵害や業務妨害となり「名誉棄損(めいよきそん)罪」や「侮辱(ぶじょく)罪」に問われることがあります。

特に相手が国家資格を有する事業者である場合、弁護士費用まで含めると50万円~100万円の慰謝料が請求される可能性もあります。

もし投稿先を間違ってしまった、勘違いで非難してしまった場合などは、なるべく早く謝罪連絡・投稿の削除(訂正)をして下さい。

グーグルレビューの【件数】を見る

極端にレビュー件数が多いところには要注意!

グーグルのレビュー件数は、通常「開業~5年目位まで」は数件~30件前後、「5年以上」は大体20~50件程度が標準的だと思います。

件数が他より極端に多いところは、①開業年数が長い(院長が高齢/親子2世代継承)②ペットブーム中に開業した、などが考えられます。

また開業年数が少ない割に他より多いところは、①トリマーが独自に集客②動物関連団体や業者との提携③対象動物が多いなどが理由です。

高評価しかないから・件数が多いから良い動物病院というわけではないため、ご近所の評判や実際に利用してから判断しましょう。

グーグルレビューの【内容】を見る

星2つ以下の悪い評価の有無・内容をみて判断!

グーグルのレビューには5段階の星の数とコメントが付きますが、注目して欲しいのは「星2つ以下の数やコメント内容」です

いくら星5つがたくさんあっても、星2つ以下の「具体的で悪い評価コメント」の方が「実態の側面」を示唆しているように思います。

比較的新しいところは「良い評価とコメント」が先行しがちですが、実際には「運営・獣医療すべての経験値が浅い」という点も忘れてはいけません。

クチコミを見る時は、高評価コメントや星5つの数を見るより「星2つ以下の具体的なコメント」の有無・内容を確認しましょう。

③ホームページの【更新頻度】を見る

ホームページの有無・情報量・更新頻度で選ぶ!

ホームページ(以下、HP)やSNSは、動物病院のことを利用する皆様に知っていただくための重要な「情報発信ツール」です。

今の時代、情報が古い・少ないなど「有効利用されていない」HPやSNSは「自己満足・利用者軽視」の証拠とも言えます

中には自院HPよりSNS中心に情報発信、ネット広告乱発、手術画像を投稿、など「広告ガイドライン」に抵触しそうな倫理観の低い獣医師もいます。

自院HPやSNS、ウェブサービスなどの使い方には、院長(経営者)の性格や運営に対する考えを反映していると言っても過言ではありません。

※オリジナルの自院HP(独自ドメイン)や病院紹介専門サイトは違反にはなりません。
GoogleYahooなどの検索順位(結果)は動物病院の人気・信頼度とは直接関係ありません。

クチコミポイントの見方

グーグルレビューは【4.5点】が分かれ目になる!

グーグルのレビュー(以下、Gレビュー)ポイントは「評価点の平均」で算出されます。

そのため当然高い点数だけなら総合評価が高くなりますが、中に低い点数(3点以下)があれば総合評価が下がります。

その他のクチコミサイトの点数は「閲覧が多いか少ないか」や「有料会員かどうか」による例もあり、実際のところ信用できません。

Gレビュー件数(分母)が多い少ないにもよりますので、3点以下の存在が総合評価を大きく左右するのです。

ちなみに、Gレビュー件数(分母)が少なく高得点しかない場合は、高点数でも「累計利用者が少ない」と推察することができます。

総合的にレビューが20件以上ある動物病院の場合、総合評価4.5点が「分かれ目(分岐点)」になると言えるでしょう。

Gレビューは「減点法」のため3点以下の数が総合評価を左右し、多少5点が増えても総合評価点はあまり変わらない仕組みなのです。

件数が20件以上ある場合に限定すると『4.5点』以上は【良い~普通】、『4.5点未満』は【まあまあ~問題あり】という表現もできます。

評価5点の中にも「まだ獣医師・動物病院の本質に気付いてないんだろうなあ」とその後が心配なレビューも結構見かけます。

すべての利用者が点数を付けているわけではないため、良くも悪くもGレビューの点数だけで判断することはあまりおススメできません

混雑時間グラフの見方

グーグルの混雑時間グラフは当てにならない?

結論から言うと、グーグルの「混雑する時間帯」グラフは、ほぼ当てになりません。

実際、当院でも駐車場・待合とも一杯で駐車場に入れない車が路肩に並んでいても「混んでいません」と表示されていることが何度かありました。

前提条件として「スマホ内のGoogleロケーション履歴設定を有効にしている」必要があります。(基本的には無効状態)

その「ロケーション履歴」データを「数週間おきに収集」し、15分きざみで機械的に集計・比較されるものらしいです。

「リアルタイム表示」は理論上、今までの集計結果を元に最新データと比較したものなので、本当に「リアルタイム」と呼んでいいのか疑問です。

機械的な集計処理のため、表示の遅延や間違った処理(店舗が密集している、渋滞しやすい通りに面している等)をすることもあるようです。

※「リアルタイム表示が出やすい=スマホを持った人が頻繁に出入りしている」ことは事実です。

動物病院の場合、待合や駐車場の広さ(収容能力)、スタッフのスキル(対応能力)に違いや差があるため、混み具合の根本的な意味が違ってきます

スマホの設定有効化、集計の時間差などから実際と違うケースが多くなり、動物病院のように絶対数が少ない業種だと極めて信憑性に欠ける結果になるわけです。

さらには飲食店などと違い「混んでる動物病院が本当に良いのか」という『業種的な見方の違い』も考えなければいけません

応用編

~ ただいま鋭意編集中 ~

ペットブームの本当

ブームの始まり

人によって見方の違いはありますが、一般的には1980年(90年)頃~2010年頃の約20~30年間と言われています。

国内でも大都市と地方との時間差があるため「実質20年間程度」と思われます。

バブル期から一部で始まった「小型動物を家の中で飼う」ステータスが、バブル崩壊後、一般家庭に伝播したと考えられます。

その結果、ペット・動物に関係のある業種(ペット関連産業)が急成長・急拡大していきます。

「急速な市場の拡大」これこそが『ペットブーム』と呼ばれる所以(ゆえん)です。

急激な需要の拡大

ペットブームの高まりに呼応して、小型動物医療の分野でも診療の需要が急増し、個人の動物病院が増え始めます。

今ある個人動物病院のほとんどが、この『ペットブーム』によって作り出されたと言っても過言ではありません。

それまでの獣医業は、牛・馬・豚などの大動物(産業動物)や動物園・水族館が主な対象の「出張・所属型」が主流でした。

程なくブームによる需要拡大に着目した獣医師たちが、次々に小動物対象の「個人・独立型」動物病院へシフトし始めます。

この時期よりブームの後押しにより、開業すれば「誰でも」来院数や売り上げが急増し、すぐに人手不足に陥るほど隆盛を極めます。

この状況に対処すべく急ピッチで作られたのが、看護師やトリマー、訓練士などを養成する「動物専門学校」です。

人材供給の拡充により、獣医療だけでなく「トリミング・ペットホテル」等も導入され、動物病院の集客に拍車がかかりました。

純粋に自分たちの実力ではなくブームで繁盛しているのに、勘違いをする獣医(ペットブーム症候群獣医)が増殖し始めます。

このようにして動物病院の未熟な基盤が出来上がり、次の世代まで引き継がれ一般化・組織化されていきました。

ブームの光と闇

業態を巻き込んだ過去の様々な「〇〇ブーム」には、その性質ゆえ、例外なく「光(良い面)」と「闇(悪い面)」が存在します。

短期間に多くの愛玩動物が誕生した一方、扱う側の理解や考え方が未熟だったため、多頭飼育崩壊・動物虐待など「負の側面」を産み出しました。

現在の「小型動物医療」の分野もペットブームで脚光を浴びてから、実質20~30年程度の短期間で形成されました。

この急速な展開により、すでに獣医だった者や臨床獣医を目指す者の多くが「ペットブームの幻想」に翻弄されてしまいます。

個人で開業すれば短期間で来院数&売上が急増=(短期完済・高額機器導入・大量雇用・大型化 etc.)=自惚れ・おごり・慢心。

同時に動物専門学校も簡単に入れて安易に就職できる体制が「低レベルな専門職を求める人材」を輩出するようになっていきます。

「(獣医)私は実力がある、成功者だ、勝ち組だ、」「(学生)成績悪くても入れる、楽に就職できる、人は苦手だけど動物なら、」

...こうして、獣医療の現場に「ペットブーム症候群」が蔓延してしまいました。

ブームの終焉

1980年代から火の付いたペットブームの勢いは、2010年頃から徐々に「陰り」を見せ始めます。

飼育数減少も理由の一つですが、実際は「市場の熱が冷めた事、動物病院やペット関連産業が増えて飽和状態に陥った事」が関係していると思います。

最盛期にはテレビ・出版などメディア露出、ペット関連産業との連携など、動物病院単独では到底成し得ない要因【他力】によって繁盛病院や人気獣医師が「演出」されました。

同様に動物専門学校【他力】からも労せず人材が供給されたため、病院経営や人材育成に対する院長獣医の「無関心・無頓着」な姿勢が根付きました。

しかし、程なくメディア媒体【他力】の関心離れや露出減少とともに、動物専門学校の「学生数減少・能力や資質の低下」が顕著になり始めます。

(ここ鹿児島でも2006年に開校した動物専門学校が、2017年わずか10年程で閉校になりました。)

さらにブーム衰退に足並みを揃えるように、ペット関連産業【他力】や動物保護団体【他力】の「動物病院へのぶら下がり」も規模が縮小されます。

そして、ついに【他力】本願だった獣医師・動物病院の「運営の実態や実力」「認識や考えの甘さ」が、次々に表面化していくことになります。

「ペットブーム症候群問題」「人材不足・後継者問題」「組織基盤の脆弱問題」「獣医師の倫理観問題」...

過去からの脱却

ブーム終焉から約10年程度経過し、世間では徐々に「幻想」から覚める人が増え、現実に向き合う志向に変化してきました。

それを象徴するように「メディアによる動物愛護・保護活動への傾注」「動物愛護法改正」「愛玩動物看護師国家資格化」など、あるべき方向への整備改修が始まっています。

ブーム初期こそ手術数や研究発表に囚われた「権威主義」が持て囃されましたが、今では世間のニーズも無くなり、すっかり影を潜めたように感じます。

しかし未だに多くの獣医師には、長い間「独善的な立場・閉鎖的な職場」にいるせいか、世の中の変化や周囲の声に「目を向けない、耳を傾けない、自分を省みない」傾向があります。

残念ですが、今でも「ペットブーム時代の間違った考え方のままの自分本位な(ペットブーム症候群)獣医」がまだまだ現場に蔓延っているのです。

『自己満足だけの本質を無視した獣医師・動物病院でいるか』『真摯な姿勢で本質を重視する獣医師・動物病院になるか』

...これから動物病院が果たすべき社会的役割を認識し、地に足の着いた運営を受容していけるか、もうすでに世の中から試され始めています。

開業獣医の本当

出身大学

下の(偏差値)は、獣医学部・獣医学科を受験する学生を対象とした値であり、すべての学生を対象としたものではありません。

学業レベルを分かりやすく表現すると【中学校の試験は常に平均80点以上】【地域上位の進学高校(進学コース)で理数系トップクラス】となります。

ちなみに、鹿児島大学医学部の偏差値が65となっていますので、双璧をなす難関学部(学科)+狭き門であることが分かります。

国公立
(大学名)(定員)(所在地) (大学名 )(定員) (所在地 )
北海道大学(65)35北海道帯広畜産大学(60)40北海道
岩手大学(60)27岩手県東京大学(67.5)30東京都
東京農工大学(62.5)35東京都岐阜大学(60)30岐阜県
大阪府立大学(62.5)40大阪府鳥取大学(62.5)35鳥取県
山口大学(62.5)30山口県宮崎大学(62.5)30宮崎県
鹿児島大学(60)30鹿児島県

※()内は一般入試偏差値目安/定員は前期+後期(東大は3年~)

私立
(大学名)(定員)(所在地) (大学名 )(定員) (所在地 )
酪農学園大学(50)60北海道日本獣医生命科学大学(65)80東京都
日本大学(60)60神奈川県麻布大学(57.5)120神奈川県
北里大学(57.5)120神奈川県・青森県岡山理科大学(55)140愛媛県

※ ()内は一般入試偏差値目安

学費・その他

私大の場合、金額は近いですが明細が違うため、ここでは鹿児島大学(国立)と酪農学園大学(私立)を一例として比較します。

国公立は基本共通設定ですので、初年度納入金と授業料だけを見ると「私立は国公立より約3倍以上高い」ことが分かります。

その他の費用や仕送り(生活費)まで加味すれば、県外から私大獣医学部に6年間通うには、かなりの財力が必要です。

鹿児島大学(国立)酪農学園大学(私立)
初年度納入金額817,800円2,564,000円
入学時最小限納入金額1,469,000円
入学金282,000円300,000円
授業料(年間)535,800円×51,710,000円 ×5
施設費340,000円
実習費140,000円
諸会費74,000円

※各項目の金額は2022年度の予想金額

看護師・トリマーの本当