症状と対策
熱中症とは
ペットの熱中症は短時間で急激に状態が悪化します!
動物の熱中症も人間の熱中症とほぼ仕組みは同じす。
体温が平常より高く(40℃前後)なり、なかなか体温が下がらず血管や脳などに様々な障害を及ぼす症状です。
健康状態・種類などによって、初期から危険な状態まで個々に進行速度や症状に違いがあります。
特に小動物の場合、身体が小さく体毛に覆われているため私たち人間より「陥りやすく」「危険度が非常に高い」ことを絶対に忘れないで下さい!
人間の感覚で判断しないで
人と同じ感覚で判断してはいけません!
対応が遅れると最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。
人間は汗をかいて体温調整しますが、犬や猫は「足の裏」でしか汗をかけないため口呼吸で補います。
また、犬猫や小動物は体格が小さく体を毛に覆われているため、熱を溜めやすく症状の悪化が数倍速くなります。
人の場合はよく室温28度以上が要注意と言われますが、犬猫・小動物は外気温25度以上を対策の目安にしましょう。
特に【幼齢期や高齢層】【心臓・呼吸器が弱い】犬猫・小動物の飼い主様は十分注意して下さい。
犬の散歩時間も考えて!
外気温が30度近くになると地面は40度以上になり、アスファルトは60度を超える場合もあります。
小型犬は地面から口鼻まで数十cm、大型犬でも1m程なので人の何倍も地面の熱を感じます。
長時間熱気を吸い込むことも負担になりますが、忘れていけないのが「肉球」です。
犬の「肉球」は他の皮膚より敏感でやわらかいため【やけど】をすることもあります。
日中の気温が高い日は「いつもの時間だから」と人間都合で散歩せず、時間を遅らせたり涼しくなってから出かけましょう。
夜になっても注意して!
熱中症の場合、日中は変化が無くても夜になって症状が表れる(飼い主様が気付く)ことがあります。
気温が上がり始める時期は、天気や時間帯に関係なく『飼養場所の温度管理』と『体調の変化』を常時チェックすることが重要です。
「うちの子は元気だから」…いいえ、この時期は普段どんなに元気な動物でも熱中症の症状が出る可能性があります!
私たち人間の安易な感覚で手遅れになる前に、ペットも必ず【熱中症対策】をして下さい!
主な症状例(犬・猫)
熱中症の症状(に似た症状)が確認できた場合は「どれだけ早く対処するか」が状態の回復程度にかなり影響してきます。
初期の症状例
- 口を開けたままで息苦しそうに速い呼吸をしたり、よだれをいつもより大量に出す。
- 暑かった日の夕方から夜にかけて嘔吐(おうと)や下痢(げり)をする。
- いつもより反応や動きが鈍くなり立ち上がれなくなったり、ふらふら歩いたりする。
注:同じような症状でも熱中症ではない場合もあります。詳しくは動物病院で診てもらいましょう。
危険な症状例
- 横になったまま(座ったまま)動かず、触ったり呼びかけたりしても反応しなくなる。
- 手足が小刻みに震えたり、全身や手足の大きな痙攣(けいれん)が起こる。
- 血が多く混じった嘔吐物をはいたり、血便・血尿など出血症状が起こる。
- 意識もうろうとして目に充血がみられたり、皮膚や口(特に舌)が紫色に変色する。
注:同じような症状でも熱中症ではない場合もあります。詳しくは動物病院で診てもらいましょう。
特に注意が必要な例
- 高齢者だけで世話をしている犬・猫・小動物
- 短頭種の犬(シーズー・パグ・ブルドッグ・ボストンテリア・ペキニーズ等)
- 短頭種の猫(ペルシャ等)
- うさぎ・ハムスター等の小動物
- 肥満体質の犬・猫
- 幼齢や高齢の犬・猫・小動物
- 心臓や呼吸器が弱い犬・猫
- 病気治療中や基礎疾患のある犬・猫
注:熱中症は基本的に種類・年齢・健康状態に関係なく陥る可能性がある症状のため油断は禁物です。
熱中症対策
対策のポイント
温度・湿度の管理(温度・湿度計を使う)
コマメな飲水確認(1日2回はチェック)
暑さを避ける工夫(外飼いは日陰を確保)
ペットの熱中症対策まとめ
☑ 天気予報で気温が高くなる(暑くなりそうな)日を毎日チェック! |
☑ 閉め切った場所ではエアコンの設定を25℃前後で維持しておく! |
☑ 留守番させる時はエアコンをかけっぱなしにして水を多めに準備! |
☑ 日中長時間留守にする時はできるだけペット預り施設を利用する! |
☑ 屋外の犬は日陰や玄関内・車庫内など極力涼しい場所に移動する! |
☑ 暑い時間帯の犬の散歩は避けて日没後涼しくなってから出掛ける! |
☑ ペットと一緒に外出した時は短い時間でも絶対に車内放置しない! |
☑ いつもペットがいる場所には温度計+湿度計を設置した方が良い! |
☑ 家にいる時や一緒に外出した時も暑さ対策と水分補給を忘れない! |
☑ 様子がおかしいと感じたら早めに動物病院・ペットクリニックへ! |
推奨なるべく健康な時にかかりつけ動物病院を見つけておきましょう。