Q&A
よくある疑問カテゴリー
※当ページは動物病院の業態・業務に関するご質問や関係者の経験・調査をもとに編集しており、個人的な事象やご意見にお応えするものではありません。
病院の組織
運営・体制
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認定医や専門医がいる動物病院のほうがいい?
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よくネットや動画で「認定医や専門医のいる動物病院を選べ」という情報がありますが、正直その選び方は間違いです。
最初に受診する9割超は1次診療形態なので、そこで認定医・専門医が必要と判断されれば紹介されることになります。
いかに最初で精度の高い診断をする獣医師に出会うかの方が重要なので、全く認定医・専門医である必要はありません。
ただでさえ研究者タイプの獣医師が多いため、経験や知識が偏っていると誤診・自己完結される危険性が高くなります。
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愛護活動や特定分野で有名なところがいい?
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〇〇で有名などの言葉は「一般の方の思い込みやうわさが派生するもの」なので、事実と異なる場合が多くなります。
また、獣医療には、飼育者等が獣医療サービスを正しく理解し適切に選択できるよう定められた広告制限もあります。
社会貢献・ボランティアなど院外での活動は、国家資格の特性上、獣医師会や自治体などを通して公式に行われます。
単独の愛護活動や利己的な診療をしながら世間とのズレに気付かない動物病院は、決まって評判が悪いのも事実です。
ネット情報
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「名医です」とか「料金が良心的」は本当?
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ネット上に存在するクチコミやレビューは、初めて利用した時の印象や個人的・一時的な感想が大部分を占めています。
中でも「新しい動物病院や軽度な用件でご利用」の場合、優しい・きれいなど感覚的な評価が多く付く傾向があります。
なお、費用や獣医師の技量に関するレビューは、それぞれ内容が異なり極めて専門的であるため全く参考になりません。
特に、利用経験や知識が少ない方・感動しやすい方は、大げさな表現になりがちなので惑わされないようにしましょう。
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よくSNSで情報発信している動物病院は?
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動物病院や獣医師がSNSなどを利用する場合、自分たちの立場や社会的影響を考えた「制限や自重」が必要だと思います。
動画配信サイトやSNSは、不特定多数が閲覧できるので、内容次第では獣医療法等に抵触する可能性が高くなるからです。
実際に利用していない無関係な人も評価・コメントできるため、飼い主様が正しく判断できなくなる危険性があるのです。
SNSや動画配信を多用する獣医師は、承認欲求が強く、資格事業者としての節度や品位に欠ける性格の人が多いようです。
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クチコミサイトはどのくらい信用できる?
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そもそもネット上のレビューやクチコミは、投稿者や内容が不透明で確証が持てないものであることをご理解下さい。
その中で、特に病院の本質が分かるのは、グーグルクチコミの「悪い評価の数・内容、病院側の返信」だと思います。
逆に最も信用できないのは「カルーペット」で、悪い評価を削除したり、ウソの投稿や件数の捏造が多く問題外です。
そんな会社にもかかわらず、自ら有料登録をして「掲載されました!」と宣伝する動物病院が一番無能だと思います。
病院の利用
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待合や駐車場が一杯なのは人気だから?
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いつも混んでいる・待ち時間が長い原因は、人気とは全く関係なく、院長の考え方や病院レベルの低さにあると言えます。
いつも混む動物病院は、自分たちの努力や改善をせず、単純に人数や機械を増やす来院順の対応で非効率な運営をします。
具体的な特徴は、①院長と従業員の業務能力が低い、②団体や業者との提携、③愛護手術やトリミングで集客、などです。
①~③があると適正診療が受けられない、事故やトラブルが起きやすいなど、嫌な思いをされることが増えてしまいます。
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動物病院に行く時は予約が必要ですか?
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動物病院は予約に対する考え方や対応能力の差があり、約9:1の割合で「ゆるゆる系」「しっかり系」に別れます。
大多数を占める受付体制がゆるい「ゆるゆる系」は、来院が集中しやすく長時間待たされることが常態化しています。
元々、能力の低さが原因で時間がかかっているのに、人気があると勘違いしている獣医師や飼い主様が多いようです。
逆に電話応対や予約管理ができている「しっかり系」は、来院が集中しても対応が早く流れがスムーズだと思います。
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動物病院の予約はキャンセルできる?
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当院の場合は、①受診・購買など、②ペットステイ・ボディケア、2種類のご予約とそのキャンセルが可能です。
①は「来院する」予約で、内容を事前に把握・待ち時間の軽減等が目的のためキャンセル料金は必要ありません。
②は「場所や人員を占有する」予約で、病院側や他の飼い主様に迷惑がかかるためキャンセル料金が発生します。
そもそも、来院対応がいい加減な動物病院ほどトラブルや迷惑行為に振り回されやすいので十分注意して下さい。
医師・職員
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何を見れば良い動物病院か見分けられる?
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正直なところ、良い動物病院かどうかの感じ方は、飼い主様それぞれの価値観や評価点が違うため単純な定義はできません。
ただ一般的には、経営者(獣医師)と従業員の関係性、お客様対応などの教育レベルなどで組織の体質が分かると思います。
病院の受入れ態勢(予約管理・スタッフ教育)や設備・運営面の工夫、獣医師の視野の広さと診断能力で必ず差が付きます。
表面的には良く感じても、経営については方針や考えが甘い優柔不断な獣医師の本性に気付かない飼い主様が多いようです。
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獣医師のどこを見れば良い悪いが分かる?
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獣医師は、①動物や人が好きなのか、②獣医学が好きなのかの割合で、動物や飼い主様にとっての良し悪しが分かれます。
①は良く聞いて良く話すコミュニケーション重視ですが、②は学問的な診察や説明になりがちで不安になる診断をします。
特に②の割合が高い獣医師は、説明や診断内容が分からない、上から目線な態度、一方的に治療する等の特徴もあります。
また、公務員や研究職からの転職獣医・若い獣医は対面診療が苦手で、自己流で済ませたり曖昧な診療をし易いようです。
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愛玩動物看護師(国家資格)のレベルは?
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一回目の試験は合格率が80%を超え、偏差値50以下でも合格できる難易度の低い国家資格になってしまいました。
現状ほぼ全員が実地不十分のまま現場に就くため、練習材料にされる・事故やトラブルが増える可能性があります。
愛玩動物看護師になったから、と安易にスタッフに採尿や採血などを任せる動物病院・獣医師には注意して下さい。
国家資格とは言え人格や適性まで保証するわけではないため、結局は本人と雇用する病院次第で大きく差が出ます。
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評判が悪いのに診療を続けられるのはナゼ?
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獣医師は性格・適性など関係なく、獣医師免許があり資金の補充に困らなければ診療を続けていくことが可能です。
そのため、ダメな獣医師の理解できない言動に怒りや不満を感じた飼い主様もたくさんいらっしゃることでしょう。
確かに学業は優秀かもしれませんが、人として常識や協調性に欠け、世間知らずの勘違い獣医師がたくさんいます。
結局、評判が悪い動物病院は色々な地域に必ず存在するので、利用する側が賢く慎重に選ぶことが重要になります。
料金・接遇
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避妊・去勢手術が安い動物病院って大丈夫?
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いくら選択の自由があるとは言え、大切な家族、可愛がっている動物の命に「安さや手軽さ」を求めるのは感心できません。
また、不妊手術は術後も動物との健全な共生が前提の手術ですが、常に「麻酔の危険性」があることも忘れてはいけません。
しかし、安さやボランティアを理由に、危険性を無視して安全配慮しない動物病院・獣医師が未だに存在するのも事実です。
術前検査だけでは安全を担保できないないため、危険を察知・回避する診断力こそ獣医師にとって必要な技能だと思います。
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なぜ動物病院の料金は極端に差があるの?
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日本の獣医業は「学術研究,専門・技術サービス業」に分類され、人間の医療(保険)制度とは全く関係ありません。
損保などペット保険適用が無い場合、基本的には施術料・薬代・機材使用料などを実費でご請求することになります。
また、難しい手術だったり特殊な医療機器・特別な治療法や薬品を使えば、それだけでかなり単価が高額になります。
結果的に百円単位から十万円超まで差が大きく、事前の説明や情報がないと飼い主様を困惑させることになるのです。
設備・活動
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TNRって何の略でどういう意味?
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TNRとは、Trap(捕獲する)Neuter(不妊手術する)Return(元に戻す)の略語で野良猫愛護活動の一つです。
これに賛同する動物愛護(保護)団体や個人、および一部の動物病院・獣医師が避妊・去勢手術等を通じて活動しています。
ただし非常に問題やトラブルも多く、偏った考え方や利己的な思いが暴走する材料になってしまう傾向(恐れ)があります。
動物の命や動物との共生に対する考え方の変化から、今後は個人や団体、獣医師の倫理的・社会的責任が問われるでしょう。
クチコミコメントの見方
ネット上の動物病院や獣医師に関するクチコミには、大きく3つのパターンがあります。
パターン1
最も多いのが「初見(初めてor軽い内容で利用した)時の感想や印象」です。
実際、近所に新しい動物病院ができたから、夜間当番だったので、など初めて利用された時の感想が割と多く見られます。
その他、トリミング・ワクチンなどで利用した方や初めて利用した方なども含めて、初見コメントが大部分を占めています。
結果的に、動物病院の実態や獣医師の人間性など細かいところまで把握できていない方が多いということもできます。
これらのことから、件数が多くても良い評価があっても「コメントだけでは一概に判断できない」と言えるのです。
パターン2
2番目に多いのがペットの体調不良やケガ、手術などで「(何回か)診療を受けた(利用した)上での感想」です。
中でも「名医です」など技量に関する内容は信憑性に欠けるため、あくまでも一般の方の目線・感じ方程度に考えて下さい。
また「料金が良心的」という内容も「どんな明細を何処と比較しているか」全く不透明なため、一概に期待してはいけません。
逆に「悪い感想」には、実際に経験した具体的な内容や、獣医・スタッフの言動までを細かく表現しているものが多いと思います。
中には説明不足による事実誤認、単なるクレームや身勝手な内容もありますが、そもそも『動物病院側にも原因がある』という見方もできます。
パターン3
ネット上のコメントは上のパターンがほとんどですが、厄介なのが「嘘コメント」「間違いコメント」「ご祝儀コメント」です。
「嘘コメント」が多いのは『動物病院まとめ系サイト』で、実際に利用したことが無い人が投稿しているケースがあります。
また、任意にアンケートを書かされたり、表示回数が評価点になったり、悪いコメントが削除されたりする「滅茶苦茶な基準のサイト」も普通に検索上位で表示されています。
フェイスブックに至っては「利用したことが無い」人まで高評価を付けられるため、評価数が多すぎる場合は注意して下さい。
他には病院を間違って投稿された「間違いコメント」、開業に携わった関係者・内覧会参加者・友人などの「ご祝儀コメント」が紛れ込んでいます。
①グーグルレビューの【件数】を見る
極端にレビュー件数が多いところには要注意!
グーグルのレビュー件数は、通常「開業~5年目位まで」は数件~30件前後、「5年以上」は大体20~50件程度が標準的だと思います。
件数が他より極端に多いところは、①開業年数が長い(院長が高齢/親子2世代継承)、②ペットブーム中に開業した、などが考えられます。
また開業年数が少ない割に他より多いところは、①トリマーが独自に集客、②動物関連団体や業者との提携、③対象動物が多いなどが理由です。
高評価しかないから・件数が多いから良い動物病院というわけではないため、ご近所の評判や実際に利用してから判断しましょう。
②グーグルレビューの【内容】を見る
星2つ以下の悪い評価の有無・内容をみて判断!
グーグルのレビューには5段階の星の数とコメントが付きますが、注目して欲しいのは「星2つ以下の数やコメント内容」です。
いくら星5つがたくさんあっても、星2つ以下の「具体的で悪い評価コメント」の方が「実態の側面」を示唆しているように思います。
比較的新しいところは「良い評価とコメント」が先行しがちですが、実際には「運営・獣医療すべての経験値が浅い」という点も忘れてはいけません。
クチコミを見る時は、高評価コメントや星5つの数を見るより「星2つ以下の具体的なコメント」の有無・内容を確認しましょう。
③ホームページの【更新頻度】を見る
ホームページの有無・情報量・更新頻度で選ぶ!
ホームページ(以下、HP)やSNSは、動物病院のことを利用する皆様に知っていただくための重要な「情報発信ツール」です。
今の時代、情報が古い・少ないなど「有効利用されていない」HPやSNSは「自己満足・利用者軽視」の証拠とも言えます。
中には自院HPよりSNS中心に情報発信、ネット広告乱発、手術画像を投稿、など「広告ガイドライン」に抵触しそうな倫理観の低い獣医師もいます。
自院HPやSNS、ウェブサービスなどの使い方には、院長(経営者)の性格や運営に対する考えを反映していると言っても過言ではありません。
※オリジナルの自院HP(独自ドメイン)や病院紹介専門サイトは違反にはなりません。
※GoogleやYahooなどの検索順位(結果)は動物病院の人気・信頼度とは直接関係ありません。
クチコミポイントの見方
グーグルレビューは【4.5点】が分かれ目になる!
グーグルのレビュー(以下、Gレビュー)ポイントは「評価点の平均」で算出されます。
そのため当然高い点数だけなら総合評価が高くなりますが、中に低い点数(3点以下)があれば総合評価が下がります。
その他のクチコミサイトの点数は「閲覧が多いか少ないか」や「有料会員かどうか」による例もあり、実際のところ信用できません。
Gレビュー件数(分母)が多い少ないにもよりますので、3点以下の存在が総合評価を大きく左右するのです。
ちなみに、Gレビュー件数(分母)が少なく高得点しかない場合は、高点数でも「累計利用者が少ない」と推察することができます。
総合的にレビューが20件以上ある動物病院の場合、『総合評価4.5点』が「分かれ目(分岐点)」になると言えるでしょう。
Gレビューは「減点法」のため3点以下の数が総合評価を左右し、多少5点が増えても総合評価点はあまり変わらない仕組みなのです。
件数が20件以上ある場合に限定すると『4.5点』以上は【良い~普通】、『4.5点未満』は【まあまあ~問題あり】という表現もできます。
評価5点の中にも「まだ獣医師・動物病院の本質に気付いてないんだろうなあ」とその後が心配なレビューも結構見かけます。
すべての利用者が点数を付けているわけではないため、良くも悪くもGレビューの点数だけで判断することはあまりおススメできません。
混雑時間グラフの見方
グーグルの混雑時間グラフは当てにならない?
結論から言うと、グーグルの「混雑する時間帯」グラフは、ほぼ当てになりません。
実際、当院でも駐車場・待合とも一杯で駐車場に入れない車が路肩に並んでいても「混んでいません」と表示されていることが何度かありました。
前提条件として「スマホ内のGoogleロケーション履歴設定を有効にしている」必要があります。(基本的には無効状態)
その「ロケーション履歴」データを「数週間おきに収集」し、15分きざみで機械的に集計・比較されるものらしいです。
「リアルタイム表示」は理論上、今までの集計結果を元に最新データと比較したものなので、本当に「リアルタイム」と呼んでいいのか疑問です。
機械的な集計処理のため、表示の遅延や間違った処理(店舗が密集している、渋滞しやすい通りに面している等)をすることもあるようです。
※「リアルタイム表示が出やすい=スマホを持った人が頻繁に出入りしている」ことは事実です。
動物病院の場合、待合や駐車場の広さ(収容能力)、スタッフのスキル(対応能力)に違いや差があるため、混み具合の根本的な意味が違ってきます。
スマホの設定有効化、集計の時間差などから実際と違うケースが多くなり、動物病院のように絶対数が少ない業種だと極めて信憑性に欠ける結果になるわけです。
さらには飲食店などと違い「混んでる動物病院が本当に良いのか」という『業種的な見方の違い』も考えなければいけません。
応用編
~ ただいま鋭意編集中 ~
ペットブームの本当
ブームの始まり
人によって見方の違いはありますが、一般的には1980年(90年)頃~2010年頃の約20~30年間と言われています。
国内でも大都市と地方との時間差があるため「実質20年間程度」と思われます。
バブル期から一部で始まった「小型動物を家の中で飼う」ステータスが、バブル崩壊後、一般家庭に伝播したと考えられます。
その結果、ペット・動物に関係のある業種(ペット関連産業)が急成長・急拡大していきます。
「急速な市場の拡大」これこそが『ペットブーム』と呼ばれる所以(ゆえん)です。
急激な需要の拡大
ペットブームの高まりに呼応して、小型動物医療の分野でも診療の需要が急増し、個人の動物病院が増え始めます。
今ある個人動物病院のほとんどが、この『ペットブーム』によって作り出されたと言っても過言ではありません。
それまでの獣医業は、牛・馬・豚などの大動物(産業動物)や動物園・水族館が主な対象の「出張・所属型」が主流でした。
程なくブームによる需要拡大に着目した獣医師たちが、次々に小動物対象の「個人・独立型」動物病院へシフトし始めます。
この時期よりブームの後押しにより、開業すれば「誰でも」来院数や売り上げが急増し、すぐに人手不足に陥るほど隆盛を極めます。
この状況に対処すべく急ピッチで作られたのが、看護師やトリマー、訓練士などを養成する「動物専門学校」です。
人材供給の拡充により、獣医療だけでなく「トリミング・ペットホテル」等も導入され、動物病院の集客に拍車がかかりました。
純粋に自分たちの実力ではなくブームで繁盛しているのに、勘違いをする獣医(ペットブーム症候群獣医)が増殖し始めます。
このようにして動物病院の未熟な基盤が出来上がり、次の世代まで引き継がれ一般化・組織化されていきました。
ブームの光と闇
業態を巻き込んだ過去の様々な「〇〇ブーム」には、その性質ゆえ、例外なく「光(良い面)」と「闇(悪い面)」が存在します。
短期間に多くの愛玩動物が誕生した一方、扱う側の理解や考え方が未熟だったため、多頭飼育崩壊・動物虐待など「負の側面」を産み出しました。
現在の「小型動物医療」の分野もペットブームで脚光を浴びてから、実質20~30年程度の短期間で形成されました。
この急速な展開により、すでに獣医だった者や臨床獣医を目指す者の多くが「ペットブームの幻想」に翻弄されてしまいます。
個人で開業すれば短期間で来院数&売上が急増=(短期完済・高額機器導入・大量雇用・大型化 etc.)=自惚れ・おごり・慢心。
同時に動物専門学校も簡単に入れて安易に就職できる体制が「低レベルな専門職を求める人材」を輩出するようになっていきます。
「(獣医)私は実力がある、成功者だ、勝ち組だ、」「(学生)成績悪くても入れる、楽に就職できる、人は苦手だけど動物なら、」
...こうして、獣医療の現場に「ペットブーム症候群」が蔓延してしまいました。
ブームの終焉
1980年代から火の付いたペットブームの勢いは、2010年頃から徐々に「陰り」を見せ始めます。
飼育数減少も理由の一つですが、実際は「市場の熱が冷めた事、動物病院やペット関連産業が増えて飽和状態に陥った事」が関係していると思います。
最盛期にはテレビ・出版などメディア露出、ペット関連産業との連携など、動物病院単独では到底成し得ない要因【他力】によって繁盛病院や人気獣医師が「演出」されました。
同様に動物専門学校【他力】からも労せず人材が供給されたため、病院経営や人材育成に対する院長獣医の「無関心・無頓着」な姿勢が根付きました。
しかし、程なくメディア媒体【他力】の関心離れや露出減少とともに、動物専門学校の「学生数減少・能力や資質の低下」が顕著になり始めます。
(ここ鹿児島でも2006年に開校した動物専門学校が、2017年わずか10年程で閉校になりました。)
さらにブーム衰退に足並みを揃えるように、ペット関連産業【他力】や動物保護団体【他力】の「動物病院へのぶら下がり」も規模が縮小されます。
そして、ついに【他力】本願だった獣医師・動物病院の「運営の実態や実力」「認識や考えの甘さ」が、次々に表面化していくことになります。
「ペットブーム症候群問題」「人材不足・後継者問題」「組織基盤の脆弱問題」「獣医師の倫理観問題」...
過去からの脱却
ブーム終焉から約10年程度経過し、世間では徐々に「幻想」から覚める人が増え、現実に向き合う志向に変化してきました。
それを象徴するように「メディアによる動物愛護・保護活動への傾注」「動物愛護法改正」「愛玩動物看護師国家資格化」など、あるべき方向への整備改修が始まっています。
ブーム初期こそ手術数や研究発表に囚われた「権威主義」が持て囃されましたが、今では世間のニーズも無くなり、すっかり影を潜めたように感じます。
しかし未だに多くの獣医師には、長い間「独善的な立場・閉鎖的な職場」にいるせいか、世の中の変化や周囲の声に「目を向けない、耳を傾けない、自分を省みない」傾向があります。
残念ですが、今でも「ペットブーム時代の間違った考え方のままの自分本位な(ペットブーム症候群)獣医」がまだまだ現場に蔓延っているのです。
『自己満足だけの本質を無視した獣医師・動物病院でいるか』『真摯な姿勢で本質を重視する獣医師・動物病院になるか』
...これから動物病院が果たすべき社会的役割を認識し、地に足の着いた運営を受容していけるか、もうすでに世の中から試され始めています。
開業獣医の本当
出身大学
下の(偏差値)は、獣医学部・獣医学科を受験する学生を対象とした値であり、すべての学生を対象としたものではありません。
学業レベルを分かりやすく表現すると【中学校の試験は常に平均80点以上】【地域上位の進学高校(進学コース)で理数系トップクラス】となります。
ちなみに、鹿児島大学医学部の偏差値が65となっていますので、双璧をなす難関学部(学科)+狭き門であることが分かります。
国公立
(大学名) | (定員) | (所在地) | (大学名 ) | (定員) | (所在地 ) |
北海道大学(65) | 35 | 北海道 | 帯広畜産大学(60) | 40 | 北海道 |
岩手大学(60) | 27 | 岩手県 | 東京大学(67.5) | 30 | 東京都 |
東京農工大学(62.5) | 35 | 東京都 | 岐阜大学(60) | 30 | 岐阜県 |
大阪府立大学(62.5) | 40 | 大阪府 | 鳥取大学(62.5) | 35 | 鳥取県 |
山口大学(62.5) | 30 | 山口県 | 宮崎大学(62.5) | 30 | 宮崎県 |
鹿児島大学(60) | 30 | 鹿児島県 |
※()内は一般入試偏差値目安/定員は前期+後期(東大は3年~)
私立
(大学名) | (定員) | (所在地) | (大学名 ) | (定員) | (所在地 ) |
酪農学園大学(50) | 60 | 北海道 | 日本獣医生命科学大学(65) | 80 | 東京都 |
日本大学(60) | 60 | 神奈川県 | 麻布大学(57.5) | 120 | 神奈川県 |
北里大学(57.5) | 120 | 神奈川県・青森県 | 岡山理科大学(55) | 140 | 愛媛県 |
※ ()内は一般入試偏差値目安
学費・その他
私大の場合、金額は近いですが明細が違うため、ここでは鹿児島大学(国立)と酪農学園大学(私立)を一例として比較します。
国公立は基本共通設定ですので、初年度納入金と授業料だけを見ると「私立は国公立より約3倍以上高い」ことが分かります。
その他の費用や仕送り(生活費)まで加味すれば、県外から私大獣医学部に6年間通うには、かなりの財力が必要です。
鹿児島大学(国立) | 酪農学園大学(私立) | |
初年度納入金額 | 817,800円 | 2,564,000円 |
入学時最小限納入金額 | - | 1,469,000円 |
入学金 | 282,000円 | 300,000円 |
授業料(年間) | 535,800円×5 | 1,710,000円 ×5 |
施設費 | - | 340,000円 |
実習費 | - | 140,000円 |
諸会費 | - | 74,000円 |
※各項目の金額は2022年度の予想金額